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【受賞者紹介】
天田直樹 大塚製薬株式会社 中枢神経疾患研究所 主任研究員
研究課題、タイトル
Brexpiprazole has a low risk of dopamine D2 receptor sensitization and inhibits rebound phenomena related to D2 and serotonin 5-HT2A receptors in rats.
(Neuropsychopharmacology Reports. 2019 Dec;39(4):279-288.)
コメント
この度は優秀論文賞をいただき,誠に光栄に存じます。
日本神経精神薬理学会理事長の中込和幸先生,学術賞審査委員長の大森哲郎先生,そして選考委員の先生の皆様に,心より感謝申し上げます。
本年度はCOVID-19の影響によりWEB会場での表彰式となりました。PCカメラに向かっての表彰挨拶は予想以上に緊張しました。
製薬企業に勤めておりますと,特許など知的財産の関係でなかなか論文発表ができませんが,数少ない発表論文の中でこのような賞をいただく事ができ,とても嬉しく思います。これは共著者全員の成果でもあります。
私はブレクスピプラゾールの創薬プロジェクトメンバーでした。ブレクスピプラゾールは数多くの化合物の中から,高い薬効を示し,かつ低副作用で安全な化合物として選びました。創薬研究は長い年月がかかり,薬として承認されるまでの成功確率は2.5万分の1とも言われております。言わば,新薬は奇跡の一粒です。
この論文には,創薬プロジェクト当時に私たちが新薬申請に用いるために行った試験データも含まれております。今回このような名誉な賞をいただき,当時の私たちの苦労が報われたような気が致します。本当にどうもありがとうございます。
これからも,病気で苦しむ人々を救うため,より良い薬を創っていきたいと思っております。